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久保建英を観る醍醐味、途上を追う至福

久保建英が今季初、スペインリーグ公式戦で先発出場を果たした。9月12日の開幕戦より、リーグ戦では6試合連続で後半からの出場、第七節にしてようやく試合開始をピッチ上で迎えた。

10月22日に行われた欧州リーグ(EL)初戦でフル出場し、1得点2アシストを挙げ5対3での勝利に貢献したこともあり、リーガでの先発のポジションを手にした格好だ。もちろん、それ以前からも、途中出場ながら攻撃面では久保が相手の脅威になる場面は少なくなかった。それでも、チーム首脳陣からは守備面のさらなる貢献が求められており、新天地では途中出場が続いていた。

リーグ戦7試合目にして初めてスタメンに名を連ねたことが、クラブからの信頼を勝ち取った証かどうかは定かではない。実際、スコアレスドローに終わったカディスFCとのゲームでは決定的な場面の演出までには至らず、敵陣では相手DFからの圧力に手こずる場面もみられた。また、両チーム、計9回の交代が行われた中で、後半17分、最初に交代でピッチを離れたのがビジャレアルの背番号16だったという結果も、彼の現段階での立ち位置を表している気がしてならない。

だが、日本人ファンにとって、クラブ内での微妙な立場にいる久保を見守り、後押しする声援を送ることが何よりも楽しいことは、誰もが感じている。スペインリーグで上位につける名門で若き日本人プレーヤーがポジションを掴むまでのストーリーを目の当たりにしているのだ。やはり、「追っかけ」の魅力はどの世界にも存在する。本格的なリーガ参戦はまだ日が浅くとも、カンテラからの久保を振り返ると、Jリーグを経て、再びスペインに渡ったシチュエーションはサッカーファンにとっても一選手を追いかける醍醐味を大いに感じている最中だと言える。

日本の国内リーグであるJリーグで繰り広げられる数々のゲームの激しさ、そして楽しさは、日本人サポーターとしても世界に胸を張ってもいいレベルだろう。だが、それとは別に、海外での日本人選手の躍動する姿も、どの時代においても関心が惹かれる対象であることも事実だ。欧州トップリーグで戦う19歳であるならば尚更だ。クラブレベルもステップアップの階段を昇り続けており、2020シーズンはタイトル獲得のための戦力として、ビリャレアルのユニフォームを纏っている。

久保の次なる戦いは、木曜日のEL、そして来月2日のリーガ、バリャドリッド戦と続く。今なお、スタメン当落線上であることに変わりはない久保にとって厳しいポジション争いが続くだろう。だが、異国で戦い、上を目指し続ける日本人プレーヤーを見守る我々は、それこそが極上の瞬間であることを知っている。(佐藤文孝)

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