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エース対決、先発マウンドを守り抜く醍醐味。

10月29日、甲子園での阪神対中日戦。今季のセ・リーグ先発投手の中でも、実力最上位に位置する二人の投げ合いが、シーズン終盤に繰り広げられた。タイガース先発は西勇輝、ドラゴンズ先発は「完封男」大野雄大。

共に、防御率トップを争う二人であり、いわずもがなの両チームのエースだ。さらに、試合前の時点では両投手の勝ち星が10勝で並んでいることなどからも、見どころの多い投手戦が期待された。

結果から記すと、阪神が3対1で勝利。先発の西は1失点で完投勝利、11勝目を手にしている。阪神打線もここ2試合で連続完封負けを喫している大野を初回から捕らえ得点を奪うなど、本拠で意地をみせた。大野は3失点、6回でマウンドを降り、継続していた連続無失点も45イニングで途切れている。

苦手としていた大野を阪神打線が打ち崩したことで、期待されていたエース同士による息詰まる投げ合いとまでは行かなかったかもしれない。それでも、この日の両投手が、同じ日のマウンドで先発したことは非常に意味があるように感じられた。

今シーズン、ここまでの規定投球回到達者はセ・パ合わせて僅か13人。シーズン終了までに、両リーグとも一桁人数となることがほぼ決定的となっている(西、大野は既に規定回数をクリアしている)。反面、リリーフ投手の役割が細分化され、「オープナー」や「ブルペンデー」といった投手起用が当たり前の様に行われている。もはや先発した投手が完投で投げ抜き、試合を終える機会は希少となってしまった。「肩は消耗品」との言い伝えもあり、投手の選手寿命を延ばすには適していると言われるも、やはり、それぞれ先発投手のスケールがどこか、小さくなってしまった感は否めない。

この日の西と大野の個人タイトルを争うエース二人による直接対決は、両者の一歩も譲らないという気迫が、前日の予告先発の段階から伝わっていたと言ったら大袈裟だろうか。何より、投手の起用法が多様化してきた昨今のプロ野球界では、貴重ともとれる「完投型」二人による先発マウンド。その姿、一挙手一投足にどうしても視線が惹きつけられてしまう。

巨人のマジックは残りわずかとなり、タイガース、ドラゴンズとも、来季からの巻き返しに視線は向けられているかもしれない。それでも、西、大野による投手タイトル争いは今シーズンの最終戦まで熾烈を極めるだろう。残された試合の中でも、エースとしての意地、さらにはプロとしての誇りをみせ続けてくれることを予感させるに充分な、西、大野両投手のこの日のマウンド姿だった。(佐藤文孝)

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