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新星の輝きと英雄の終焉。アイスランド対ハンガリー ユーロ予選プレーオフ

未明から無理やりに目を覚まし、テレビのリモコンを弄った。

暗い部屋の中で、映した画面には見慣れないユニフォーム同士のサッカーが行われており、画面右上には「LIVE」の文字。間に合った。音量を下げ、欧州選手権予選プレーオフ決勝の試合に目と耳を傾ける。

衛星放送にて2つのチャンネルで二試合が同時に放送されていたものの、チャンネルを合わせたのは昨日の内から観るつもりでいたアイスランド対ハンガリーのゲーム。2年前のW杯でも注目していたアイスランドと、どこかアウトサイダー的でありながら、不気味な強さを秘める(気がする)ハンガリー、それぞれの代表選手名など、殆ど知識がないまま、後半途中から観始めた。

試合は1対0で進行していて、アイスランドが1点のリードを守り、ハンガリーの攻撃を跳ね返すという攻防が繰り返される。アイスランドは、ロシアW杯の時の印象では大型選手が揃っており高さに強いと感じていた。今回も、試合終盤のクロスボールでは、ゴールの攻略は難しいようにもみえ、時折、披露するカウンターも青白のユニフォームが追加点を奪いそうな雰囲気、そして鋭さを感じさせていた。本大会出場を決め「バイキングクラップ」をリアルタイムで観られることに期待が膨らむ。

一方、1996年アトランタ五輪で日本の最終戦の相手となったことくらいしか記憶に残っていないのが、ハンガリー代表だった。「古豪」や「マジックマジャール」などの言葉が浮かぶも、最近での「表舞台」の活躍の有無はまるで認識が無かった(後に調べると、2016EUROに出場しベスト16)。ただ、ルーマニアやブルガリアといった東側諸国だけに、独特の技術、強さをゲームのどこかで発揮するのだろうか、という考えも頭の片隅に引っかかっていた。

後半40分過ぎ、画面から目を離して居た隙に、ハンガリーが同点に追いついていた。ここからはボールがピッチを縦方向に激しく往来する展開に。このあたりでようやく、G.ジグルズソンが居ることに気づいた。アイスランドの英雄がペナルティエリア内に割って入り、相手ゴールを脅かす。

だが、ハンガリーの同点ゴールに気づいてから間もなくとなる後半45分、次の1点を決めたのはハンガリーだった。プレイヤーの一人がロングボールを相手陣内で受け自らドリブルで進入、一気に加速しディフェンスの間を縫うと、見つけたわずかなスペースで右足を小さく、力強く振り抜いた(ようにみえた)。

ボールは低い弾道でキーパーの左を巻いてポストに当たり、ゴール。実況から聞こえてきた名前は「ソボスライ」、どうやら21歳という年齢らしい。試合最終盤のあのスピード、ドリブルからのシュートの正確さに、もはやアイスランドの選手は体を寄せることが出来なかった。そして、欧州の若手スター候補と勝手に位置付け、D・ソボスライの名前を記憶する。

試合はそのままハンガリーが逃げ切った。プレーオフではあったものの、やはりピッチ上のプレーは白熱し、久々に代表戦のシビアな戦いを観ることが出来た。試合を決めた21歳のプレーにかつての「マジックマジャール」の片鱗を感じさせられた。そして、ギルフィ・ジグルズソンは大舞台に辿り着くことは出来なかった。(佐藤文孝)

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