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大相撲 翔猿、連日の土俵上での真っ向勝負

11月場所の土俵でもその存在感は絶大だ。

西前頭4枚目の翔猿は日を追うごとに、動きの鋭さに磨きをかけている。

131kgと、大相撲では軽量でありながら、立ち合いからの突き押しで真っ向からぶつかっていく取り口は観ているものの心を揺るがすに充分だ。

新入幕となった九月場所では11勝を挙げ、敢闘賞を受賞する活躍をみせた。そして幕内二場所目の11月場所、上位力士との取り組みが続き既に負け越しが決まっている中でも、要所で見せ場を作っている。特に輝きを放ったのが、9日目の大関・貴景勝だ。前への勢いと回転の速い突きで挑むと同じく押し相撲の大関を向こうに回し、突きの手数で上回ると完全に主導権を自分のものとし、最後ははたき込んで全勝の大関に土を付けている。初対戦となった先場所と変わらない程の、突き押しを序盤から展開しての白星だった。

そして迎えた13日目。この日の取り組みは初顔となる小結・高安。大関経験者であり、三役での勝ち越しを目前としている巨漢を相手だが、怯むことなく真っ向からぶつかっていく。

立ち合いで頭から当たると、やはり両手で相手を押し続ける。受け止める高安は先に引く動きをみせるも、翔猿は崩れずにさらに追い込む。その後、組み合いとなり翔猿が頭をつけると、足元を窺い最初の蹴返しを繰り出す。高安はこらえるも、その後、もう一度放った格闘技のローキックを彷彿とさせる蹴返しで、高安の両手を土俵につかせた。自身より40㎏以上も重い高安に対し、力強さ、スピード、技のキレと、相撲という競技のあらゆる要素を感じさせる見事な取り口での会心の勝利だった。

小兵であるが故、一番を取り切ると力の限りを尽くした素の表情が滲み出る。勝敗に関わらず、取り終えたばかりにみせるjその顔が、なんとも勇ましく精悍さを表している。両眼を見開き、身体全体で呼吸を続けるその表情は、例えるとなると大相撲という物語における主人公のような凛々しさだ。それまでの小兵力士のイメージを大きく覆す、土俵上の翔猿の動きは横綱大関陣の休場が相次いだ今場所を大いに盛り上げており、スター性も兼ね備えるその顔つきは、更なる上位昇進、そして角界を引っ張る立場としての未来さえ想像させる。

今尚続く観客数の制限や、横綱大関の休場が相次ぐなど、明るい話題の少なかった今年の大相撲において、颯爽と動き回り鮮やかな風を土俵上に吹きこませた翔猿。一度の負け越しを喫した程度では、その強靭な精神が揺らぐことはない。残り僅かとなった11月場所でも千秋楽までさらに力強く翔猿の相撲を披露し、多くのファンの心を惹きつける。(佐藤文孝)

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