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頂上決戦を彩る予告先発の魅力 

2020年、プロ野球日本シリーズ開幕の朝を迎えた。

多くのメディアでもプロ野球日本選手権の情報が溢れかえっている中、ひと際目につくのが両チームの先発投手の名前だ。予告先発で発表されている投手はソフトバンクが千賀滉大、巨人は菅野智之。何れもチームのエースであることは言うまでもない。大物同士の初戦の投げ合いを想像すると、試合前から興奮が高まる。

近年、シーズンはもちろん、日本シリーズでも予告先発が採用されており、2018年からは3年連続で行われている。ただ、既にルールとして制定されているペナントレースとは違い、毎年、シリーズ直前の監督会議の席で話し合われた中で決められている。2013年のシリーズ前、新聞紙上では監督会議でのこんなやり取りが紹介されていた。

「予告先発はどうするんや」「やりましょう。うちは内海です」

出場チームの楽天・星野仙一監督(当時)と巨人・原辰徳監督の言葉。大舞台を前にした会議の中で、重要な項目であるものの、意外と簡単に決まるものだと感じていた。一方で、その短いやり取りから滲み出る、互いの勝負にかけるプライドも読み取れたことも興味深かった。

シリーズでの先発を事前に公表することは、様々な意見があることは確かだ。チームのみならずファンも先発投手を「読む」ことが、それだけで大きな楽しみでもある。これまで幾度となくみられた、予想の裏をかく先発投手を送り込み、対戦相手を撹乱させることも短期決戦ではれっきとした戦術の一つだ。

それでも、試合前からの予告により、ゲーム展開の想像を膨らませることも、何物にも代えがたい魅力を持っている。そして、包み隠さずに公表するで、当の両先発も調整段階から気持ちを込められることが、予想される。無論、今回のような、日本を代表する投手同士ならば尚のこと、好勝負の予感が鳴り止まない。

ソフトバンクの初戦先発の千賀は、これで4年連続のシリーズ開幕マウンド。過去3回は全て白星を手にしており、シーズン中のみならず、日本シリーズでも最も頼りになる存在だ。現役時、シリーズを何度も戦った経験を持つ工藤公康監督からの信頼も揺るがず、4連覇を懸けた今回も初戦をエースに託した。

日本シリーズ3度目の出場の菅野は、初めてとなる一戦目の先発マウンド。今季は新記録となる13連勝を挙げる等、球界を背負う立場として挑む大舞台で先陣を切る。昨年は故障を抱えながら、4戦目の先発を果たすもホークス打線に屈している。今年こそ日本一奪還のために、フル回転での好投が求められる。

プロ野球界の頂上決戦での先発マウンド。夢の舞台に立つ二人の姿を試合前から思い浮かべる「極上の旨味」を感じることが出来る予告先発。それにより伝わる胸躍る期待は、プレーボールの瞬間を待ち遠しくさせる刺激的なスパイスでもあるかもしれない。(佐藤文孝)

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