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プロ野球、新天地への物語

シーズンオフのプロ野球は、様々な話題が溢れる。新天地に辿り着いたプレーヤーの物語も、例年と同じく、多く伝えられている。

元メジャーリーガーの参加により、いつも以上に注目が集まった今年のトライアウトで、新天地への切符を掴んだのは、宮台康平だ。日本ハムを戦力外となり、育成契約の打診があったものの、支配下での契約を求めて古巣を退団し、トライアウトに挑んでいる。

2017年ドラフト7位で東大から日本ハム入りを果たし、一年目に一軍のマウンドを踏むも、以降はファームでの生活が続いた。大卒選手にとって「勝負の3年目」となった今シーズンも、一軍での登板は無く、来季の構想外を告げられ、新天地を求めることに。

トライアウトでは打者3人に対し気迫のピッチングをみせ、いずれも三振を奪うという最高の結果を収めている。特に目立ったのは外角のコントロールだった。右打者二人、左打者一人と相対し、三つの三振を、全ても最後は外角に投げ込まれている。勝負球として投じたストレート、変化球は何れも絶妙のコースに決まり、完ぺきに打ち取った印象だ。

すでに、東京ヤクルトスワローズは獲得合意を発表しており、来季もプロ野球選手としてユニフォームを着ることが決まった。25歳の左腕は、見事に生き残りを懸けた勝負に勝ち、望むべく結果を手繰り寄せている。

43歳にして古巣への復帰が決まったのは、福留孝介だ。阪神タイガースを戦力外となり、来季から14年振りに中日ドラゴンズのユニフォームを着ることとなった。

高校、社会人を経て中日に入団、プロとしてキャリアをスタートさせると、メジャーでも長年に渡りプレー、日本復帰後は名門の縦じまを身に纏うという、紛れもなく華やかな道を歩んできた。日本代表としても印象に残る場面での活躍もあり、現代の野球界のスタープレーヤーの一人であることは間違いない。

それでも、阪神タイガースでは名門故の重圧もあり、年齢を重ねるにつれ、思うような結果を残せなかった。昨年は、自身NPBでは最少となる42試合の出場にとどまった。

ドラゴンズは打線に厚みを加えるべく福留を獲得したと言われるも、来シーズン、開幕から間もなく44歳を迎えるベテランはベンチに座る機会が多いだろう。現役生活もそう長くはないことも多くのファンは感じているはずだ。

だが、その意志の強さから、プロキャリアを敢えて「遅らせた」左バッターには今なお、試合を決める「一振り」があることも知っている。8年ぶりのAクラスに就き、来季ドラゴンズがさらなる上に昇り詰めるためには、多くの経験を積んだベテラン福留孝介こそが最も必要なプレーヤーなのかもしれない。(佐藤文孝)

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