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残留か、新天地か。菅野智之、先発としての存在感。

「先発至上主義の時代は必ず、また訪れる。リリーフに比重を置いては絶対に勝てない」

昨シーズン限りで現役を引退した、名リリーバーはそう言い切った。

ラジオから聞こえた藤川球児の言葉が本当であるならば、やはり現在の投手起用は歪なものであると、余計に感じてしまう。

2020年シーズン、セ・パ両リーグの投手で規定投球回をクリアしたのは計14人だった。言うまでも無く、単純に先発投手がマウンドに立っている時間が短いことを表し、リリーフ投手の役割が増えてきていることがわかる。ちなみに10年前の2010年は両リーグ合わせて28人、倍の人数が規定投球回をクリアした記録となっている。

最近では救援投手が先発マウンドに立つケースもあり、戦術の一つとして定期的に行っているチームもあった。先発を重要視すべしとの藤川球児の言葉とは明らかに反対の傾向だと、強く思えてしまう。だが、昨年オフ、ポスティングにより米メジャーリーグ・レンジャースが有原航平の獲得の要因の一つとなったのが、日本でのイニング数の多さだった。そして、昨シーズン久しぶりのAクラス入りを果たした中日ドラゴンズの躍進の原動力となったのは大野雄大の圧倒的な完投能力だった。さらに、日本シリーズで4タテでの敗退を喫した巨人がソフトバンクの流れを食い止められなかったのは、戸郷翔征をリリーフで起用したことだとも捉えている。

その巨人ではエース・菅野智之のメジャー移籍を目指し、渡米したという。シーズン開催が昨季同様、困難な状況には変わりなく、菅野自身も様々な可能性を探っている。だが、セリーグ連覇を成し遂げたチームの、さらには日本球界のエースとも呼べる菅野のメジャー移籍は、やはり夢のある話題だ。

デビューからの菅野はまさに「先発投手」としての存在感を発揮し続けてきた。昨年を含め、ここ4年間で3度の最多勝と年齢を重ねるごとに好成績を挙げているだけでなく、マウンド上での迫力を増している感が強い。

もし、メジャー移籍が実現したとしたら、個人的に思うのは「挑戦」という言葉は菅野には当てはまらない。日本を代表する投手だけに、1年目からのタイトル獲得さえ夢ではないものと、期待が膨らむ。

巨人のエースナンバーを背負った男は新天地へと向かうのか、それともジャイアンツ残留か。交渉期限は日本時間8日、一週間を切った。

ただ、不安なのは絶対的な存在である菅野が移籍した場合、巨人投手陣の中で新たにエースと呼べる投手がいるのだろうか。2年続けて先発の大黒柱であり、リーグ最多勝投手が抜けることになるとしたら、現状では連覇どころか、Aクラス入りさえ厳しい戦いが待っているように思えてならない。一昔前より役割が変わってきたとはいえ、試合を作り、チームを勝利に導くためにもっとも重要視されるポジション。先発投手とはそういう存在である。(佐藤文孝)

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