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横綱鶴竜、無念の欠場。春場所に「進退」を懸ける。

10日に初日を迎える大相撲初場所。2021年の「オープニング」を目前にして、衝撃のニュースが相次いでいる。

すでに伝えられていた横綱・白鵬の新型コロナウイルス感染による休場に続き、同じく横綱・鶴竜の休場が発表された。先日までは出場の意向とも報じられたものの、持病の腰痛の影響もあり、またも今場所の土俵に上がることがなくなった。

番付最高位に位置する横綱の姿が本場所の土俵でみられないのは、やはり残念であるという思いが強い。ここ数場所、両横綱の休場が続いていることもあり、尚更だ。

本場所を館内で観戦した際には、結び前までの土俵がどれだけ白熱し、時には波乱が続こうとも、横綱が土俵に登ると、その姿に視線が吸い寄せられるような不思議な感覚に捉われた経験が一度や二度ではない。そして、取り組みでその強さで勝ち名乗りを受けると、会場内が安堵の雰囲気に覆われる。横綱は独特の空間を生み出すのだ。

身体のいたるところにテーピングやサポーターが巻かれることが不思議ではなくなった現在の大相撲の世界で、鶴竜は腕や足に何かを巻くことも殆ど見られず、手首などの最小限に留めていた印象が強い。表情も終始、まるで変ることなく、それでいて横綱として圧倒的な強さを発揮し続けてきた。すでに横綱の地位を8年もの間就いており、白鵬と共に、計り知れない重圧、そして綱の重みに耐え抜いてきたはずだ。

さらに今場所は大関・貴景勝の綱取り場所でもある。これまで、幾度となく多くの若手力士の壁にもなってきていただけに、若き貴景勝の「大一番」となる初場所には、横綱・鶴竜とのぶつかり合いが必要だったと思えてならない。朝乃山、正代等、上位陣も顔触れが充実してきている中ではあるが、さらに上の存在がいてこそ、15日間、実力者たちから発せられる土俵上の熱を増すのだと感じている。

昨年11月場所後には横綱審議委員会からの「注意」の決議により、白鵬と共に今場所への出場が期待されていたものの、4連続休場となった。最後に15日間を皆勤したのが、昨年の春、3月場所であり、同じく大阪場所での復帰、そして横綱としての「復活」を望んで止まない。

師匠である陸奥親方のコメントでは、鶴竜は「春場所に進退を懸ける」という。昨年の春場所は混乱の最中、異例の無観客となり開催された。その際に、横綱土俵入りは「邪気を払う」力があるとも伝えられている。厳しい冬を乗り切り、少しでも平和な春の季節を迎えるとともに、番付最高位の力士の強さを目に焼き付けたい。(佐藤文孝)

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