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天才・武藤敬司、薄れぬ存在感と団体の未来。

入場時の『HOLD OUT』が、ビッグマッチの雰囲気をさらに際立たせていた。

2月12日のプロレスリングNOAH日本武道館大会で、武藤敬司が潮崎豪を降し、三大メジャー団体のタイトル制覇となるGHCヘビー級王座を獲得した。試合時間は29分32秒、フランケンシュタイナーで3カウントを奪っている。団体の至宝でもあるベルトを手にしたことで、華々しいキャリアに、新たに勲章が加わったことになる。

さらにサプライズが続く。その3日後、新チャンピオン・武藤敬司のNOAH入団が発表された。フリーとしての立場で参戦が続いていたが、次戦からは団体所属選手として、リングに上る。まさに、20年前の古巣新日本退団からの全日本移籍を思い出させるほどの、強烈なインクトが感じさせる電撃入団だった。

知名度、存在感は58歳の今でも相変わらず、未だ業界NO.1といっても過言ではないだろう。また、画面を通して観る限りでは、タイトルマッチ時の体つきはまるで年齢を感じさせなかった上、対戦相手の潮崎より一回り大きく見えるほどだった。団体トップレスラーとして君臨することには、ほぼ、問題となる要素は見当たらない。

だが、ベルト獲得となった試合の最中、ムーンサルトプレスを敢行すべくコーナーに登るも、思い止まったシーンが象徴する様に、かつての動きを求めることは不可能であることも確かだ。膝の動きが鈍く、グラウンド時の流れがスムーズでなかったことや、全体的な試合運びでも、技の一つ一つが単発で繰り出されていた印象を受けた。

今後、NOHAにおける「強さの象徴」杉浦貴や、金剛の総帥・拳王など、楽しみな対戦は尽きない。だが、両ひざの状態や、コンディション維持などにもかなりの神経を使うことは確実であり、常時出場ではなくビッグマッチ限定でリングに上がることも予想される。2年契約との発表だが、契約満了を迎えることには60歳を過ぎていることになる。他のレスラーとは同じ目線で、この先の武藤を見続けることはやはり難しい気がしてならない。

また、58歳にヘビー級のベルトを奪われた前王者・潮崎のリベンジや若手レスラーたちの奮起にも大きな期待が集まる。特に、返し技でもあるフランケンシュタイナーからの3カウントで敗れた潮崎のベルト奪還は、一刻も早く、成されなければならない。名勝負ではあったものの、試合直後の表情は敗れたもののそれではなかった。豪腕を磨き、自らの力でもう一度、ベルトへの挑戦権を引き寄せ、レジェンドを完膚なきまでに叩いて再びベルトを巻いたその時こそ、NOAHという団体の本当の意味での底上げに繋がっていく。(佐藤文孝)

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