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名将たちの英断 人間としての決断はこれからも。

EURO2020の開幕が今月12日に迫っている。すでに各国とも代表メンバーが発表されており、熱戦に向け、想像が膨らみ続けているファンも多いだろう。

先月末に発表され、「サプライズ」として伝えられたのが、フランス代表デシャン監督の『決断』だった。今回のEUROでも優勝候補のフランスを率いるデディエ・デシャンは、2015年にチームメイトを恐喝し逮捕され、代表を追放されていたカリム・ベンゼマをEUROのメンバーに招集した。キリアン・ムバッペなど豊富なタレントを擁し、2018年ロシアW杯に次ぐタイトル獲得を目指すチームの一員として、確執も叫ばれているストライカーに再び、レ・ブルーのユニフォームを纏わせることとなった。

ピッチ上の結果が楽しみなのはもちろん、人間としての過去の経緯を度外視し、結果を追い求める。そういったアスリートとしての『覚悟』は、ダイレクトにスポーツファンの心を震わせる。

同様のシチュエーションは、どのジャンルでもみられた。そして、迎えた結末が決して思わしいものではなかったケースも。

1995年、F1開幕直前まで名門マクラーレンチームはシートの一つを埋められずにいた。ビッグネームを求めるスポンサーとの意向もあり、名将ロンデニスは、自身が望むドライバーにステアリングを握らせることが出来ずにシーズンオフを過ごす。

開幕前、決断は下され、ナイジェル・マンセルをチームに迎え入れることとなった。トップチームのシートを得たい元王者、そして周囲を納得させなければならないという苦悩を抱えた名将。ライバル関係だったことも去ることながら、長きにわたり不仲が公然のものとなっていた両者の歩み寄り。「ナイジェルの良い部分に目を向けることにした」ロンデニスの言葉だった。

だが、結末はあっけないものに。開幕戦ブラジルGPにマンセルの名前は無かった。「マシンが自分に合わなかった」という理由により、闘わずして関係は終わりを迎えている。

人間である以上、結果を重要視することは当然のことではある。だが、それ以前に、様々な決断を行いながら、物事のプロセスは通がれて行く。デシャンがベテランストライカーを呼び戻した事はどのような結果に繋がるのだろうか。ロン・デニスが名門を率いる将としての苦悩の末、元チャンピオンと手を結んだことは、果たして、間違いだったのだろうか。いずれにせよ、人間であるが故の『英断』だったことは間違いはない。見えてもいない結果に怯えていたら、人は一歩を踏み出せないのだから。

2021年の6月も3日目の朝を迎えた。様々な決断を行うであろう、新たな1ヶ月はもう始まっている。(佐藤文孝)

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